2-3. 強力な訴求力をもつストーリーテリング

ストーリーテリングとは、非常に強力な訴求力のあるライティング手法です。

コピーの最初から中盤まで、1つのストーリーを語りながら商品を紹介します。

今回はこちらの手法について具体的に解説します。

効果が高い3つの理由

なぜストーリーが効果的なのか？

整理すると3つの理由が挙げられます。

理由①：ストーリーは読まれる

私たちは、子供の頃からストーリーを通して、喜怒哀楽の感情を満たしてきました。そして、多くのことを学んできました。

大人になっても、漫画や小説など、面白いストーリーを知るためにお金を払います。つまり、私たち人間は、ストーリーが好だということです。この習性は、「広告を読まない」を突破するのに役立ちます。

理由②：感情移入してもらえる

人は、感情で行動する生き物と言われています。

行動経済学や社会心理学などの実験で明らかにされていますが、人は、感情でものごとを決定し、それを理論で正当化する習性を持ちます。

つまり、セールスコピーでは、先に読み手の感情を動かさなければなりません。本来ならばとても難しいことですが、ストーリーは読み手の喜怒哀楽を刺激し、感情移入させるパワーを持ちます。

理由③：記憶に残りやすい

「恥ずかしい」という ”英単語” を思い出せますか？

円錐の堆積を求める公式を思い出せますか？

ベトナムの首都を思い出せますか？

・・・・・・
・・・・
・・

これらは10代で学ことですが、年を重ねるほど思い出せなくなるものです。

でも、幼少期に聞いた「桃太郎」は、すぐに思い出せますよね。情報量は桃太郎が圧倒的に多いのに、あなたは絵本を読むことなく桃太郎を語れるはずです。

ストーリーは記憶に残りやすいのです。古今東西、大切な教えがストーリーで伝承されているのは、このような理由があるからです。

商品が欲しくなるストーリー「3つの条件」

ストーリーテリングは効果的です。

しかし、ストーリーならばなんでも良いというわけではありません。セールスコピーの目的は、お客さんに買ってもらうこと、申し込んでもらうこと。

つまり、商品が欲しくなるストーリーを書く必要があります。

そのためには、次の3つの条件を満たしたストーリーが必要です。

条件①：ターゲットが共感できる主人公

読み手が主人公に、このような感情を抱かなければ、ストーリーは最後まで読まれません。

また、感情移入してもらうのも難しくなります。

ストーリーテリングは、ターゲットが共感できる主人公を設定しましょう。

条件②：V字型のストーリー展開

主人公が困難を乗り越え、成功を掴むV字型のストーリーを語りましょう。V字型のストーリーは人を夢中にさせ、感情を動かします。

あなたが好きなマンガやドラマ、映画を思い出してください。その多くがV字型で構成されていることに気づくでしょう。

 

V字型のストーリーは人を夢中にする。 

①日常 → ②どん底

何をどの順序で語るかは、次のとおりです。

1. 日常
2. どん底に陥るきっかけ
3. どん底スタート

このパートでは、日常を語ることが欠かせません。その理由は、ステップ②以降のどん底がより鮮明になり、読み手が感情移入しやすくなるからです。

どん底に陥るきっかけは、なるべく詳しく語りましょう。“生々しい話” が、読み手をストーリーへ引き込みます。

②どん底

V字型の図で見ると、②どん底 を詳細に語るパートです。

どん底時代に経験した苦痛、苦労、不幸を詳しく語りましょう。ポイントは主人公を徹底的に落とすこと。どん底時代を生々しく語れば語るほど、読み手は感情移入しながら読み進めてくれます。

また、どん底時代がひど位程、次に語る成功がより輝きます。

③成功

V字型の図で見ると、③成功を語るパートです。

このパートでは、劇的な成功を掴んだことを語ります。成功した過程ではなく成功した結果を語ってください。成功して手に入れたベネフィットを具体的に具体的に語ります。

最後の一文は、「なぜ成功したのか？」というニュアンスで締めくくります。

 

どん底と成功の差は、大きい方が読み手を引き込みます。また、ストーリーテリングでは、成功した理由を商品に紐づけるため、どん底と成功の差は、商品価値の裏付けにもなります。

成功が魅力的に伝わるよう、手に入れた結果やベネフィットを具体的に語りましょう。

条件③：ストーリーとセールスが美しくつながる構成

セールスコピーである以上、必ずどこかでセールスしなければなりません。

ストーリーからセールスに移る流れがダメだと、読み手は夢から覚めたように広告から離れていきます。

ストーリーとセールスが美しくつながった構成が求められます。